無相庵というのは、このホームページの作者である私(大谷國彦)の家の名称です。庵には世を捨てた果ての終の栖と言う意味があるところから、お寺には住まない仏法者が自分の家を「・・・庵」と名付けておられます。無相庵は、もともと神戸市垂水区の五色山にあった作者の実家に亡き母と共に名付けたものでありましたが、昭和61年に母が亡くなって以来、私の家が譲り受けて今日に至っている次第であります。
「無相」は「空(くう)」と同義語であり、現代的な表現を致しますと「無色透明」と言って良いと思います。お釈迦様の仏法は、現在の日本では多くの宗派に分かれておりますが、どの宗派に偏ると言うものではないと言う意味合いを込めて「無相庵」と名付けたと記憶しております。
「無色透明」は何も無いと言うことではなく、「どんな色も受け容れる」と言う意味に受け取って頂きたいと思いますが、無相庵が中心としている教えは、一般在家の者が救われる道を求めて自ら非僧非俗に身を置かれて道を開拓された親鸞聖人の教えであります。「念仏を称えれば極楽往生する」と言う一般理解は大きな誤りがあります。
この固定化されてしまった誤りを、作者自身が信仰心を深め、禅門の考え方或いは仏教の深層心理学と言われる「唯識」の考え方を学び入れまして、現代的表現で以って正して参りたいと言う願いを持っております。そう言う願いがこの無相庵ホームページ立ち上げにこもっています。