天下無敵
私には自我があるから敵ばかりに囲まれる。一つ自我を無くせば一人の味方が出来る。すべてを捨て
れば、私の周りは味方ばかりの広い世界。本来、天下無敵の私なのです。
普通天下無敵と言えば、向うところ自分を負かす敵が無い、豪傑侍を想像しますが、ここで言う天下
無敵の人物は、戦う必要のない、文字通り、天下に戦う敵が存在し無いと受け取れば良いでしょう。
と言って、相手の為すまま服従すると言うのでもありません。
国同士でも、個人間のケンカでも、戦いは、お互いの自我同士のぶつかり合いです。一人の個人の自
我にも色々な種類の自我があります。お金に関する考え方についての自分の考え方も一つの自我、子
育ての方法についての自分の考え方も一つの自我と言う風に、沢山沢山の自我を持っています。自分
の考え方と合わない考え方の人が現れると、そこには争いが生じます。
一つ一つ自我を消して行き、全ての自我が消えれば、あるいは主張しなくなれば、天下無敵の穏やか
な人生になります。
実際にケンカをしそうになったり、人間関係で不満を感じたりした時は、自我のなせる業(わざ)と
考え、心に内に潜む自我を冷静に吟味してみれば、何の根拠もない自我に縛られている事が分かり、
霧散、消失するものと思います。