あれを見よ、明日は散りなむ、花だにも、生命(いのち)の限り、ひと時を咲く
これも一期一会と同様、今を真剣に生きましょうと言う事を、精一杯に咲いている花を見て読まれた詩です。
作者の九条武子さんは、佐々木信綱に師事し、沢山の詩を残されています。末尾の経歴から推定し、華やかな人生の中にも、色々と問題を抱えられる中で、ある時、けな気に咲く花に励まされて詠ったものだと思われます。
九条武子女史ご経歴:1887(明治20)〜1928(昭和3)
西本願寺・大谷光尊の次女として生まれる。
兄、大谷光瑞は貞明皇后の姉君と結婚し、皇室と姻戚関係を持つ。
12歳で男爵・九条良致に嫁ぐ。夫が正金銀行ロンドン支店勤務となったため渡英。
1年半にして単独帰国。後、孤独を守った。佐々木信綱に師事。
大正三美人の一人に数えられ、才色兼備の麗人として有名。